本日は、私の水彩画作品の中でも特に心に残る風景の一つ、39作目「福岡城本丸址からの風景II」を改めてご紹介いたします。この作品は、サイズF4を描き終えた最後の記念碑的な一枚であり、2019年4月7日、福岡城本丸址からの眺めを切り取ったものです。
桜の季節の福岡城は、単なる歴史的な城跡ではなく、壮大な自然美と歴史が交錯する、まさに「心が洗われるような癒やしの風景画」そのものです。今回の個別アップにあたり、当時の制作秘話と、最新の2025年福岡城さくらまつりの感動的な情報、特に復元された潮見櫓からの絶景、そしてドローン空撮でしか捉えられないスケール感も併せて深く掘り下げていきます。
ぜひ、私の水彩画を通して、2019年の春の情景、そして2025年の最新の桜の賑わい、両方の魅力を感じていただければ幸いです。
水彩画39作目「福岡城本丸址からの風景II」:満開の桜とF4サイズの格闘

2019年春、本丸址で出会った「絶景の桜」
作品39が生まれたのは、2019年4月7日。福岡城の本丸址という、城内で最も見晴らしの良い場所からの情景です。本丸址は、かつて天守閣があったとされる場所であり、石垣の雄大さ、そして眼下に広がる舞鶴公園の桜並木を一望できる、最高のビューポイントです。
手前にそびえる石垣、その隙間から覗く満開の桜のピンク、そして遠景にぼんやりと霞む福岡市内の街並み。このコントラストが、この日の風景の最大の魅力でした。
しかし、私の当時のコメントにもある通り、桜というモチーフは本当に難しい。「描きたいと思うイメージとは違う出来上がり、やはり桜も難しい・・・数をこなすしかありませんねー」と記しているように、その美しさと儚さを水彩の淡いタッチで表現しきることに苦心しました。桜の色は、白に近い薄いピンク、太陽の光を受けて輝く複雑な色合いを持っており、ただピンクを塗るだけではその生命力が失われてしまいます。
この39作目は、その難しさへの挑戦の記録でもあります。F4サイズ(333×242mm)としては最後の作品となり、コンパクトながらも風景の奥行きと光の表現に全力を注いだ一枚です。
コロナ禍の混雑体験と「絶景」の価値
過去の投稿にも記載しましたが、私が後年(2022年)に訪れた際は、コロナ禍の中(始まったばかりの時期)にも関わらず、非常に多くの人で混雑していました。人々が立ち止まり、列をなして上る様子は、この福岡城の桜が持つ吸引力の高さを物語っています。
「並んで、立ち止まりながら上りました。時間もかかったこともあり、絶景の桜でした。」
この経験は、桜という一瞬の美しさを求めて人が集まるエネルギーと、苦労して辿り着いたからこそ得られる風景の感動が、いかにかけがえのないものかを教えてくれました。私の水彩画39作目は、この「絶景」への渇望と、それを前にした時の静かな感動を表現しようと試みた記録なのです。
2025年福岡城さくらまつり:潮見櫓とドローン空撮が魅せる新たな感動
私の作品39は2019年の情景を静かに描き出していますが、福岡城と舞鶴公園は常に進化し、訪れるたびに新しい感動を提供してくれます。特に、2025年4月のさくらまつりは、歴史的復元と最新技術の融合により、格段に魅力が増しています。
今年の目玉は「新しく復元された潮見櫓」からの限定絶景
2025年の福岡城さくらまつりの最大のハイライトは、なんといっても「復元された潮見櫓(しおみやぐら)」です。
潮見櫓は、江戸時代に海や水路の監視のために設けられた重要な建物です。今年の3月17日から一般公開が始まり、さくらまつりの期間中も多くの注目を集めました。
特に特筆すべきは、潮見櫓2階からの眺めです。この2階部分は、5月11日までの期間限定公開となっており、満開の桜を高い視点から眺めることができる、2025年ならではの稀有な体験を提供しました。潮見櫓の重厚な歴史を感じる木組みの窓から、春風に揺れる桜を眺める光景は、まさに歴史と自然美の融合であり、「心が洗われる」という表現がこれほど似合う場所はありません。
私の作品39が本丸址から遠景の桜を捉えたのに対し、潮見櫓からの眺めは、また違った角度から城と桜の関係性を感じさせてくれることでしょう。
ドローン空撮で知る1,000本の桜の壮大なスケール
本丸址の限られた視点から風景を切り取るのに対し、現代の技術は、福岡城さくらまつりの全貌を圧倒的なスケールで捉えることを可能にしました。それがドローン空撮です。
(参照動画:ドローン空撮 福岡城 舞鶴公園さくらまつり)
舞鶴公園には、ソメイヨシノやヤエザクラなど、およそ1,000本もの桜が植えられています。ドローン空撮映像を見ると、石垣や濠(ほり)の周囲を、まるで白い絨毯のように埋め尽くす桜の圧倒的なボリュームが理解できます。本丸址からの眺めも絶景ですが、この空撮の映像は、当時の人々が見たかったであろう、福岡城全体を包み込む春の息吹を見せてくれます。
水彩画で表現する「癒やし」は、ある一点の情景に集中することによる静的な感動ですが、ドローン映像で得られる「感動」は、その壮大さ、そして歴史の上に咲き誇る生命力のダイナミックな表現です。この二つの視点を組み合わせることで、福岡城の桜の魅力はより深く、多角的に伝わります。
舞鶴公園さくらまつりの魅力:グルメと幻想的なライトアップ
福岡城さくらまつりは、昼間の絶景だけではありません。夜、そして食という面でも、訪れる人々に大きな満足を与えてくれます。
夜桜と城跡の融合が生む幻想的な光の世界
(参照情報:福岡城さくらまつり始まる 舞鶴公園で約1000本の桜が咲き誇る…)
さくらまつりのもう一つの目玉は、夜のライトアップです。約1,000本の桜が闇の中に浮かび上がり、歴史的な城壁と相まって、昼間とは全く異なる幻想的な光の世界を創り出します。夜桜は、古来より日本人が愛でてきた風景であり、光と影のコントラストが、桜の美しさを際立たせます。
特に、城跡という舞台で行われるライトアップは、まるで時代を超えたロマンを感じさせます。私の水彩画のテーマである「癒やし」は、この幻想的な夜の光景にも共通しており、見る人の心を日常から解き放ってくれる力があります。
拡大されたグルメリアとマナーの向上
2025年のさくらまつりでは、グルメリアがさらに拡大し、90店舗もの屋台が出店しました。これは、単なる花見の場としてだけでなく、福岡の美味しい食文化を楽しむ一大イベントとしての地位を確立していることを示しています。
また、実行委員会の取り組みとして、BBQのマナー向上にも力が入れられています。道具をレンタル式にすることで、ゴミの放置という問題が改善され、訪れる人々が気持ちよく美しい環境の中で花見を楽しめるようになっています。美しい風景だけでなく、それを守るための心遣いもまた、「心が洗われる」風景の一部と言えるでしょう。
水彩画が繋ぐ過去と未来の「福岡城の桜」
私の作品39は、2019年の春の一瞬を捉えたものですが、時を経て2025年の最新情報と並べても、その感動の核は変わりません。歴史的な城跡の上で、毎年必ず美しい花を咲かせる桜の姿は、変わらぬ「癒やし」の象徴です。
水彩画は、画家が感じた光、空気、そして感情を紙の上に定着させるメディアです。私の作品を通して、2019年に本丸址で感じた息をのむような絶景、そして2025年の潮見櫓やドローンが提供する新たな視点の感動が、皆様の心に届くことを願っています。
桜の季節は短く、儚いからこそ価値があります。このブログ記事が、来年以降の福岡城訪問のきっかけとなり、また、私の水彩画を通して四季の美しさを再認識する機会となれば幸いです。
これからも、心に残る風景画を一つ一つ、丁寧にアップしていきます。
【次回予告】
次回、公開予定の作品は、作品40「教会が見える漁港の風景」です。一転して、静かで情緒あふれる海辺の風景を描いています。どうぞお楽しみに。
下記は前回アップした38作目”福岡城本丸址からの風景”を描いた水彩画のリンクとなります。
🔗【水彩画38作目】福岡城本丸址から眺める満開の桜|心癒される春の絶景を描いた風景画(2019年4月7日・F4) – 松藏七代 生活お役立ち部屋&趣味の部屋
👉 あわせて見たい、読みたい
🔗【2025年11月最新】福岡花めぐり散歩記|護国神社・舞鶴公園・大濠公園で出会う紅葉と冬の気配(全42枚) – 松藏七代 癒しの情報

