天草・崎津漁港と世界遺産「﨑津教会」の静謐な景色を描く — 水彩画40作目 F10号

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水彩画40作目：教会が見える漁港の風景（F10号）

2022年にスタートした「心が洗われるような癒しの風景画」シリーズ。その40作目となる今回の作品は、熊本県天草市「崎津漁港」から望む 世界遺産・﨑津教会（崎津カトリック教会） をテーマに描きました。
F10号（530×455mm）の大きな画面に、海辺の静けさと祈りの時間が流れるような、穏やかな天草の風景を表現した一枚です。

この作品は、天草を実際に訪れ、あまりに美しい光景に心を打たれた方から、写真をお借りし、了承をいただいた上で制作したものです。絵の中には、潮の香りと教会の鐘の音が聴こえてきそうな、優しい空気が広がっています。

天草「崎津集落」— 世界遺産に選ばれた祈りの地

﨑津漁港がある「崎津集落（さきつしゅうらく）」は、2018年7月に世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として登録されました。
静かな入り江に沿って民家が並び、その中心に建つのが 﨑津教会（海の天主堂） です。信仰が禁じられた時代にも、漁村の人々がひっそりと祈りを守り続けた歴史を持つ、特別な場所として知られています。

日本の伝統的な漁村とキリシタンの歴史が同居する唯一の景観

崎津は「日本の渚百選」「日本のかおり風景百選」にも選ばれ、
・海
・教会
・漁村
・祈りの文化
この4つが一体となった全国でも稀有な景観として高く評価されています。

潮が満ち引きするたびに景色は表情を変え、教会の尖塔に光が差し込む早朝や、漁船が帰港する夕刻など、どの時間帯も美しい風景が広がります。

YouTubeで見る「天草・﨑津集落」

作品40作目のモチーフとした崎津漁港の雰囲気をより深く感じられるよう、参考となった動画を2本掲載します。

釣りスポットとしても人気の空撮映像

【崎津漁港】世界遺産の近くで釣りが出来る！
https://www.youtube.com/watch?v=lskgxewYOIk

世界遺産「崎津集落」全景がよく分かる映像

#25 世界遺産【崎津集落】熊本県 天草
https://www.youtube.com/watch?v=rhsQadHEnJ8

空撮で見ると、集落が海と共に生きてきた歴史がよく分かり、教会がなぜこの場所に建てられたかが感じられます。

﨑津漁港の歴史と文化：海と祈りが交わる場所

﨑津漁港は、天草の南部に位置し、古くから漁業と交易で栄えた小さな漁村です。
1569年、ポルトガル人宣教師 ルイス・デ・アルメイダ が訪れてからキリスト教が広まり、やがて人々は潜伏キリシタンとして弾圧に耐えながら信仰を守りました。

禁教の時代のエピソード

「踏み絵が行われる時は、漁師たちは早く漁に出てしまった」
という話が残っており、村全体が静かに、しかし強く祈りの文化を継承したことが伺えます。

﨑津教会（崎津カトリック教会）について

ゴシック様式 × 畳敷きという日本唯一の教会

現在の教会は1934年に建てられ、
設計は日本を代表する教会建築家 鉄川与助（1879-1976）。
外観は尖塔を持つゴシック様式、しかし内部は畳敷きという、日本と西洋の文化が融合した珍しい造りです。

祈りの象徴となった祭壇

かつて踏み絵が置かれていた場所に、現在は祭壇が置かれており、
“信仰を守り抜いた歴史の象徴”
として訪れる人々を静かに迎えています。

絵画制作の背景：静寂の中にある「祈りの光」

今回の作品では、
・海に映る微かな反射
・教会の重厚さ
・漁村の生活感
・夕刻の柔らかな色合い
を丁寧に描き込み、天草独特の「時間の流れの遅さ」を表現しました。

漁港の穏やかさの中にある、
人々が守ってきた祈りの強さ
教会が放つ
柔らかい光
そして
旅情を誘う静けさ
が、作品全体を包んでいます。

「きんつ市場」も人気スポット

﨑津漁港には直売所「きんつ市場」があり、
ホウボウ（魴鉘）の地元名「きんつ」に由来しています。
地元産の魚介類、農産物、加工品などが並び、観光客にも人気。
絵のモチーフとなる風景を見ながら、天草の味を楽しむことができます。

次回作の予告

作品41：高野山II（F10号）
こちらも深い静寂と空気感が漂う風景作品となります。どうぞお楽しみに。

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