心に残る銀座4丁目の風景—水彩画37作目「銀座4丁目風景」|変わらぬ街の息づかいを描く
東京を代表する街・銀座。その中でも「銀座4丁目交差点」は、日本人なら誰もが一度は耳にした、象徴的な場所ではないでしょうか。
四つ角には、銀座和光の時計塔、銀座三越、銀座プレイス、そして三愛ビル。時代の移ろいとともに建物の姿は少しずつ変化してきましたが、街全体が放つ品格と光の表情は、今も変わることがありません。
今回の水彩画37作目は、その銀座4丁目交差点の風景をF10サイズ(530×455mm)で描いた作品です。
2019年2月、冬の澄んだ空気の中で切り取ったこの光景には、東京という都市の時間の流れ、そして画家自身の記憶が静かに重なっています。
作品概要と銀座の記憶
銀座の街並みは、戦後から令和の今に至るまで、日本のモダン文化を象徴してきました。
銀座プレイス(日産ショールーム)、銀座和光、銀座三越、三愛ビル、キムラヤ、山野楽器、ミキモト——この4丁目界隈は、どの時代を切り取っても人々の記憶に残るランドマークが並んでいます。
銀座プレイスには、かつて数寄屋橋にあったソニービルのショールームが「ソニーストア銀座」として再誕。テクノロジーと伝統の融合が、この街の魅力のひとつです。
長年東京に住んでいた私にとって、銀座は単なる商業地ではなく「人生の中の静かな記憶の一部」。学生時代から延べ22年、東京で暮らしながら、休日のたびにこの街を歩いた経験が、絵筆を通して今も鮮やかによみがえります。
描写へのこだわり

この作品では、街全体の構図よりも「空気感」と「反射光」を意識しました。
銀座4丁目の交差点は、ビル群のガラスに反射する光が特に美しく、午前と午後では表情がまるで異なります。
淡いグレーやブルーの層を重ねながら、光の方向を意識して滲ませ、冬の日差しの柔らかさを表現しました。
特筆すべきは、今回初めて挑戦した人物描写です。
画面の中に小さく配置された通行人の姿は、あえて細密に描かず、印象派的に「銀座の時間を歩く人々」として表現しています。
人を描くことには苦手意識がありましたが、「街を描く=そこに生きる人を描く」という自然な流れの中で、筆が動いたように感じます。
街の現在と変化
銀座4丁目は、日々少しずつ姿を変えながらも、「銀座らしさ」を守り続けています。
5丁目・6丁目方面ではヤマハ銀座や松屋銀座など老舗が並び、音楽・芸術文化の香りを今も感じさせます。
一方で、新しいブランドショップや複合施設が次々と登場し、街は絶えず進化を続けています。
しかし、変わらぬのは「光の美しさ」と「街を歩く人々の表情」。
絵を描くたびに思うのは、都市風景は“建物”よりも“空気”が変わるということ。
時間の層が積み重なった銀座の光は、過去と現在を静かに繋いでいるのです。
銀座の魅力と観光情報
銀座を訪れる際は、絵の舞台となった4丁目交差点を中心に、ぜひ街歩きを楽しんでみてください。
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銀座和光:1932年建築の時計塔が象徴的。季節ごとのショーウィンドウも見どころ。
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銀座プレイス:日産ショールームやレストランが入る近未来的建築。
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銀座三越:老舗百貨店として、アートやファッションの発信地。
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歌舞伎座・銀座八丁神社:伝統と現代が交わる銀座の文化ゾーン。
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📍中央区観光協会 銀座ページ
銀座・主な観光名所📍銀座お散歩マップ(JAL OnTrip)
銀座でぶらりお散歩マップ【街歩き動画で感じる銀座】
📺 銀座から東銀座をのんびり歩いた日【東京散歩41】(68,000回再生)
📺 【4K 街歩き】Ginza/東京散歩(40,000回再生)これらの動画を通して、絵の中の風景を実際に体感することができます。
街の音、光、そして人の流れを感じながら、水彩画の世界をより立体的に味わってみてください。
銀座でひと休み:上京時に立ち寄るお気に入りの喫茶レストラン
銀座の街を歩いたあと、少し落ち着いた時間を過ごしたくなることがあります。
30年前から家族が銀座4丁目を訪れた際によく立ち寄るのが、「ル・ブラン 銀座店」。
現在も上京時、このエリアを歩くときは、いつも変わらず温かく迎えてくれる場所の様です。
【ル・ブラン 銀座店の魅力】
「ル・ブラン 銀座店」は、イタリアンをベースとしたこだわりの料理と洋菓子が楽しめる老舗レストラン&カフェです。
白を基調とした明るい店内には穏やかな時間が流れ、ショッピングや散策の合間に立ち寄るにはぴったりの雰囲気。
ランチタイムには、パスタやグラタン、チキンソテーなどの洋食を中心としたメニューが並び、
午後のティータイムには、自家製ケーキや焼き菓子、香り高いコーヒーをゆっくり味わうことができます。
特に印象的なのは、料理やデザートに感じられる“手作りの温かみ”。
一皿一皿にシェフの丁寧な想いが込められていて、銀座の中心にありながら、どこか家庭的で落ち着く味わいです。
旅先の喧騒から少し離れ、心を静める時間を過ごせる、そんな特別な空間と言えるでしょう。
【店舗情報】
📍 ル・ブラン 銀座店(Le Blanc Ginza)
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所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座4-6-11 銀座センタービル2階
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アクセス:東京メトロ銀座駅 A7出口から徒歩約1分(銀座三越近く)
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営業時間:11:30~21:00(ランチ・カフェ・ディナー)
銀座の風景とともに
銀座4丁目交差点の光景を描いた今回の水彩画を仕上げる際にも、
このお店で過ごした穏やかな時間が心に浮かびました。
街の記憶とは、建物だけでなく、そこで味わった料理や感じた香り、会話の余韻までも含まれているように思います。
上京して銀座を歩くたびに、この場所を訪れ、絵に映る風景と実際の銀座が少しずつ重なっていく感覚を覚えます。
まさに“銀座を感じるひと休み”にぴったりのお店です。
【次回予告】
次回の作品38は、「福岡城本丸址からの風景」。
春の訪れを感じさせる緑の陰影と、歴史を映す城跡の静けさを描いた一枚です。
どうぞお楽しみに。
下記は前回アップした36作目”【熊野古道・大門坂】荘厳な杉木立と石畳”を描いた水彩画のリンクとなります。
🔗【熊野古道・大門坂】荘厳な杉木立と石畳を描く|心癒される水彩風景画 第36作 – 松藏七代 生活お役立ち部屋&趣味の部屋

