白川郷 合掌造りのある風景II|心が洗われる雪解けの水彩風景画(作品42)
白川郷 合掌造りのある風景II(作品42)について
本作は、水彩画シリーズ 42作目
タイトルは「白川郷 合掌造りのある風景II」 です。
作品サイズは F10(530×455mm)。
以前制作した 20作目(F4サイズ) の「白川郷 合掌造りのある風景」を気に入っていただき、
「もう一度、大きな画面で描き直したい」という想いから生まれた再構築作品となります。
小さな画面では表現しきれなかった
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空気の冷たさ
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雪解け水が残す白と灰色の揺らぎ
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合掌造り屋根に差し込む3月のやわらかな日差し
それらを F10サイズならではの余白と筆運び で描きました。

世界遺産・白川郷が持つ「日本の原風景」
白川郷・五箇山の合掌造り集落は、
1995年にユネスコ世界遺産に登録された、日本を代表する歴史的集落です。
急勾配の茅葺き屋根は、豪雪地帯ならではの知恵の結晶。
冬の厳しさと共に生き、自然と折り合いをつけながら暮らしてきた人々の時間が、
今も静かに流れています。
この作品で描いた白川郷は、
厳冬を越え、春へと向かう3月の風景。
完全な雪景色でもなく、
新緑が芽吹く前の静寂な時間。
「季節のはざま」だからこそ感じられる、
どこか懐かしく、胸の奥が静かにほどけていくような空気感を大切にしました。
金沢旅行からの日帰りバスツアーで出会った風景
この白川郷を訪れたのは、
金沢旅行の際に参加した 日帰りバスツアー でした。
3月という時期は、
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雪がまだ多く残り
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しかし日差しは春を感じさせ
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観光客も比較的落ち着いている
という、絵を描く立場からすると非常に魅力的なタイミングです。
合掌造りの屋根に残る雪が、
時間とともに少しずつ形を変え、
屋根の影と混ざり合いながら、淡いグラデーションを作っていく。
その変化を眺めているだけで、
「この風景は、写真ではなく絵で残したい」
そう強く感じました。
水彩画ならではの表現 ― 雪解けの色とにじみ
水彩画で雪景色を描く際、
「白」を塗らないことが、最も難しく、そして最も重要になります。
本作では、
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紙の白
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ごく薄く溶いたグレー
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青みを帯びた影色
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屋根や家屋の温かみを感じさせる茶系
これらを にじみと重ね で表現しました。
特に意識したのは、
“冷たいのに、どこかやさしい色”。
豪雪地帯の厳しさを描きすぎると重くなり、
観光地としての明るさを強調しすぎると軽くなる。
その中間にある、
「旅人の目線で感じた白川郷」を描くことを目指しました。
YouTube映像から受けたインスピレーション
制作にあたっては、
現地の記憶を補完する意味で、YouTubeに公開されている映像も参考にしました。
特に印象的だったのが、
【日本三大秘境】白川郷の散策 : Walking Around Shirakawa-go
https://www.youtube.com/watch?v=C5k_67ucHAs
多くの方が視聴しているこの映像には、
観光地としての白川郷だけでなく、
「歩く速度」「視線の高さ」「生活の気配」が丁寧に映し出されています。
また、冬の白川郷を知る映像として、
4K Snowfall of Shirakawago(白川郷の雪景色)
https://www.youtube.com/watch?v=GjUW_PSgHro
この映像からは、
雪に覆われた白川郷の「もう一つの顔」を感じることができ、
本作の屋根や空気表現にも間接的に影響を与えています。
作品42は「描き直し」ではなく「深化」
本作は、過去作(20作目)を単に拡大したものではありません。
時間が経ち、
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風景を見る目
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色の選び方
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余白の使い方
それらが少しずつ変化した今だからこそ描けた一枚です。
同じ白川郷でも、
描く人間が変われば、まったく違う表情になる。
それが絵の面白さであり、
水彩画を続けてきた理由でもあります。
Makuro7.comで個別公開する意味
これまで 作品1~100 は
「水彩画の風景画|心が洗われるような癒しの風景画(2022.2.9~)」
という一つの記事の中でご紹介してきました。
しかし 33作目の再投稿を機に、
一作一作を 個別記事として丁寧に残していく 方向へ変更しています。
この42作目もその流れの中で、
一枚の絵が持つ背景・旅・時間を、
言葉と共に残したいと考え、個別公開としました。
次回予告|作品43について
次回公開予定は、
作品43:平戸大橋が見える風景 です。
海と橋、そして空。
また異なる「日本の風景」をお届けできればと思います。
どうぞお楽しみに。
下記は前回アップした41作目”高野山II|秋の奥之院”を描いた水彩画のリンクとなります。
🔗【水彩画】高野山の静寂と紅葉を描く|F10「高野山II」作品41|奥之院の祈りと霊気を感じる癒しの風景画 – 松藏七代 生活お役立ち部屋&趣味の部屋

