英彦山 高住神社「天狗杉」の神秘を描く|水彩画51作目・心を整える霊峰の風景
水彩画51作目は、福岡県田川郡添田町に位置する霊峰 英彦山 の北側にある 高住神社 の御神木「天狗杉」を描いた作品です。サイズはF10(530×455mm)。
この作品は、実際に現地を訪れた方が撮影された写真の美しさに強く惹かれ、ご本人の許可をいただいて制作しました。石段の先に見えてくる巨木の存在感、深い杉林の空気感、そして修験の山ならではの神秘的な雰囲気を一枚の画面にまとめています。
英彦山は、古来より修験道の聖地として知られ、九州を代表する霊山のひとつです。福岡県と大分県の県境に位置し、標高は約1200m。現在も登山者や参拝者が多く訪れる場所として知られています。
天狗杉とは ― 樹齢約900年の御神木
高住神社の境内入口付近に立つ「天狗杉」は、推定樹齢850〜900年とされる巨大な杉です。真っ直ぐ天へと伸びる姿は圧倒的で、英彦山の象徴的存在の一つとなっています。
この巨木には、英彦山に伝わる天狗信仰が深く関係しています。伝承では、英彦山に住む天狗の頭領「豊前坊」が、この杉の梢に降り立ち、世の中を見守っていると語られています。実際に現地に立つと、周囲の空気が一変するような静けさを感じ、自然と背筋が伸びるような感覚になります。
杉林に囲まれた参道は光の差し込み方によって表情が変わり、特に曇天や霧の日には幻想的な景色となります。この雰囲気こそ、今回の水彩画で最も表現したかったポイントでした。
水彩画51作目 ― 構図と表現の意図
今回の作品では「奥へ導かれる視線」をテーマに構図を設計しました。
・手前:石段と杉林
・中景:参道の流れ
・奥:天狗杉
この三層構造によって、参拝の流れを一枚の画面に凝縮しています。
透明水彩ではなく、やや厚みを持たせた水彩表現で描いています。杉の深い緑を何層にも重ねることで、英彦山特有の湿度を感じる空気感を意識しました。巨木そのものの存在感よりも、「そこへ向かう時間」を描くことを大切にしています。
英彦山の景色には派手さはありません。しかし、自然の重なりが生み出す静かな迫力があります。描き進めるほどに、自然への敬意を感じる制作となりました。

英彦山の歴史 ― 修験道と信仰の山
英彦山は古くから修験道の中心地として栄え、多くの山伏が修行を行った場所です。山全体が信仰の対象であり、現在でも神社・登山・自然観光が融合した独特の文化を持っています。
高住神社は「豊前坊」とも呼ばれ、英彦山の天狗信仰の中心地とされています。参道の石段を登るにつれて周囲の杉林が深まり、神域へ入っていく感覚が強くなります。
また、英彦山には天狗杉のほかにも有名な巨木があります。
鬼杉(国指定天然記念物)
樹齢約1200年、樹高約38mの巨大杉で、登山道の途中に位置します。登山者に人気のスポットですが、本格的な装備が必要です。
こうした巨木の存在が、英彦山を「自然信仰の山」として際立たせています。
観光・参拝情報(訪問のポイント)
■アクセス
・車:別所駐車場から豊前坊方面へ
・公共交通:JR日田彦山線BRT「彦山駅」→添田町バス
天狗杉は登山をしなくても訪問可能な位置にあります。
■訪問おすすめ季節
春:新緑が美しく、杉の色が最も鮮やか
夏:霧が出ると幻想的な雰囲気
秋:紅葉と杉の対比が美しい
冬:積雪時は神秘的だが装備注意
今回の水彩画は、深い緑が印象的な季節をイメージしています。
映像で見る英彦山の魅力
YouTubeでは英彦山の参道や天狗杉の映像が多数公開されています。実際の空気感を事前に感じることができ、訪問前の参考としておすすめです。
・高住神社参拝動画
・天狗杉の巨木映像
・英彦山巡礼路紹介
【神社巡り】高住神社(田川郡添田町大字英彦山27)
https://www.youtube.com/watch?v=H2KP0UC8_Q8
英彦山 大天狗の宮 豊前坊【高住神社】御神木天狗杉(巨大)と断崖絶壁と大木Mt. Hiko
https://www.youtube.com/watch?v=893QVx6A9S8
あるく、つながる、うまれなおす。|英彦山巡礼路(Mt.Hiko’s Pilgrimage)
https://www.youtube.com/watch?v=D8abW3DntcY
石段を登っていく視点の映像は、構図を考える際にも非常に参考になりました。
心を整える風景としての英彦山
都市の風景とは違い、英彦山の自然には時間の重なりがあります。樹齢900年というスケールは、人の人生をはるかに超えています。
巨木を見上げると、自分の時間の小ささに気づきます。そして同時に、自然の中にいる安心感も感じます。
今回の水彩画は、そうした「時間の深さ」をテーマに制作しました。
風景を描くことは、その場所の空気を記録することでもあります。英彦山の静かな力が、見る方の心にも届けば嬉しく思います。

次回予告
次回は、島根県の名園として知られる 足立美術館 の庭園風景(水彩画52作目・F10)を公開予定です。
日本庭園の完成形とも言われる景観を、水彩画で表現します。どうぞお楽しみに。
下記は前回アップした水彩画のリンクとなります
六義園を描く水彩画50作目|5月の新緑に包まれた特別名勝の風景と歴史を辿る【F10・文京区】 – 松藏七代 生活お役立ち部屋&趣味の部屋
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水彩画風景作品集|心が洗われる癒しの水彩画100選【日本の風景中心】 – 松藏七代 生活お役立ち部屋&趣味の部屋

